白いツバサ




一方、日本
NEVER GIVE UP本社

「ったく、あの馬鹿。」
「副社長?どうか致しましたか?」
「え?いや・・・。」
副社長秘書が話しかけてきたのを、適当に追い払う。

「悩みごとですか?」
食いついてくる理由は、俺の事が好きだから。
そんなの判っている。
「ああ。」
「それなら・・・!」
「恋人についてな。」
「え・・・。」
「恋人が可愛すぎて、悩んでいた所だ。」
「あ、そうですか・・・。で、では。私はこれで・・・。」

そそくさと去っていく秘書を冷めた瞳で見送る。





「人の気持ちも知らないで・・・。恋人に、普通他の女を紹介しようとするか?」



ピロピロピロリン♪
「メールか。」
ポケットに入れておいた、黒のプライベート用携帯が軽快な音楽を鳴らす。