白いツバサ




大好きな二人は、私の心の傍に居るから。


去っていく、二人の後姿。
都合よく雨なんて降ってくれないけど。
それでも、快晴。
太陽がそろそろ真上に着そうな時間。
私は、ここにいるからね。




「瑠奈ちゃん!!」
走ってきた、ユキさん。
「ごめんね?!私、失神してたみたいで・・・目を冷ましてすぐに警察に電話したの。大丈夫だった?って、大丈夫なわけ無いわよね。あんな場面を間近で見て・・・。」
『辛い・・・。』
今だけは、ないてもいいよね?
今だけは。今だけは。
私に泣かせてね?





『ユキさぁん!!』
ぎゅっと、抱きつく。
涙が溢れる。
ユキさんはお姉ちゃんみたいだ。
「怖かったよね?辛かったよね?」
ぽんぽん、と背中を叩いてくれる。
過呼吸になりかけた私が落ち着いたのは、数十分後だった。