目の前が、真っ赤に染まる。


血しぶきが上がる。
きゃぁああああ!という誰のかわからない悲鳴が聞こえた。

私もこんな風になってしまうの?
白目をむいて、頭から血を溢れさせて。
地面をこんなに血塗れにするの?






『ぁ・・・ぁ・・・。』
目の前の光景に、恐怖が襲い掛かる。
真っ暗な視界の中、悪魔が私に笑いかける。
頬に返り血を浴びて、人を簡単に奪った拳銃を持たない手を私に向けてきた。

『いやっ!!』
伸びてくる手を払いのけた。



「ジュリア?どうしたんだ。」
背後から洸兄の声が聞こえた。
振り向こうとした瞬間には遅くて。


後ろから羽交い絞めされてしまった。
『離して!離して!!』
「ジュリア、煩いよ?人様の前なんだから。」
修兄に窘められる。

『煩い、犯罪者!!近付かないでよ!!!』
泣き叫ぶ私と視線を合わせてくる洸兄。
「ジュリア?誰が犯罪者?これは全部、ジュリアの為なんだよ。」
『ドコが?!私の大切な人たち傷つけて、許さない!!!』
逝かれてる、逝かれてる!!

昔はこんな人達じゃなかった。


「ジュリアの為なんだ。」


修兄が、跪いて見下ろしてくる。