危険な話だと知った警備員さんは顔がキュッと締まった。
『あの、私・・・。六歳からずっと監禁されてきて・・・。そのときにジュリアって名前をつけられたんです。』
「それで、逃げてきたと?」
『・・・はい。助けてもらって・・・。』
「うぅん、それじゃあその人たちが犯人の可能性は高いね。」
『・・・私、本当にお人形さんにされちゃう所だったんです。』
「というと?」
『私を殺して、観賞用にするつもりだったみたいで・・・。』
あの話を聞いた時、やっぱりなって思う反面、死にたくないって本気で思った。
「何ソレ!?観賞用とか!!親は?!」
『・・・お父さんの会社が倒産して、お金を賄う為に・・・私・・・売られたんです。』
「それで、買われたってわけ?」
『・・・それが・・・買ったのが、従兄弟のお兄ちゃん達なんです。』
「・・・複雑なのね。」
『はい。』
「飼われたって事は、君は人扱いされてないって事?」
『・・・はい。首輪と足枷をされていただけで、あとは広い部屋を貰いました。外には一切出てはいけなくて・・・。』
「それは・・・。」
「最低じゃない!!あれだけかっこよくても只の犯罪者じゃない!!」
だけど、この人たちがどれだけ言ったって、所詮勝てないんだ。
あの二人には。
『・・・あの二人は・・・。NEVER GIVE UPの社長なんです。』
「「・・・。」」
二人は絶句した。
アメリカでも、やはり有名な企業らしい。



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