白いツバサ





『ふぅ・・・。』
初めて降り立つわけじゃないけれど、初めてのような気になる。
日本とは違う、少しシビアな空気。
「ヘイ、ガール!」
(カタカナは、英語と思ってください、宜しくです。)


『ハイ?』
「チョットヨッテカナイ?」
看板には、TATOOの文字。
彫れって?!刺青?!
『そーりー。』
いらない、とあしらって適当なバーに入る。
「ガール、ニホンジン?」
『ハイ、ソウデス』
「ニホンカラキタノ?トオカッタデショ、ヤスンデキナー」
気前のいい、ように見えるおっさんが、気前よくウィスキーを出してきた。

『コンナニツヨイノノメナイ。』
「ヘェ?アマイノキボウ?」
『アマスギズカラスギズニガスギズ、ヨウハチョウドイイノガイイ。』
「わがままの多い娘さんは嫌われるんだぜ?」
背後から、かけられた言葉に振り向く事無く答える。

『これくらいの事をわがままだなんて感じる男が三流なのよ。』
「へぇ?じゃあどんなのがわがままなんだ?」
『そうねぇ、・・・ライオンに噛まれて来てって位から?』
「それ、死ねって言ってるよな?わがままっていうか、殺害予告だよな?」
『しつこい男は嫌われるのよ?』
「さっきのセリフそっくりそのまま返してやるよ。」


生意気な男を見上げて、コーヒーを一口口に含むと

『これしきの事で音を上げる男ならこっちから願い下げよ。』
「言うじゃねぇか。」
「オヤ?クレール、カ!ナツカシイナ、オマエ。」
「オオ、ジイサン。アイカワラズゲンキソウダナ。」





・・・カタカナって読み辛い。