「瑠奈ちゃんの従兄弟の、あの二人はね。アメリカで日本でも有名な大企業の社長なのよ。スキャンダルも何もかも隠蔽できるの。」
「なんて会社?」
「・・・。」
『・・・NEVER GIVE UP』
「ねばーぎぶあっぷ?」
「NEVER GIVE UPよ。相変わらず英語がダメなのね、莉玖。」
はぁ、と溜息をつく愛美さんに莉玖は顔を真っ赤にして、そっぽを向いた。


「っていうか、ねばーぎぶあっぷって・・・。親父の会社と手を結んでる・・・?」
「そうよ。」
『なら、私がここに居ちゃいけない。』
「はぁ?!何で?」
やっぱり、莉玖は馬鹿だと思います。

『私がここに居るって事は恐らくあの二人は嗅ぎつけてるの。なら次にするべきことは?貴方のお父さんが経営する会社との手を切る。あの二人がやりそうなことでしょ。』
「・・・。」
言葉を失う莉玖に、困ったような笑いを見せる。


『私は大丈夫よ。もう、自分を見失ったりしないから。』
「だけどっ・・・!」
『莉玖?助けてくれて、ありがと!』
ニッコリ笑うと放心したように、座り込んでしまった。



『愛美さん、ありがとうございました!』
「・・・ごめんね、本当に。」