立ち上がったボクを写した姿鏡。
縛られたボクの心はもう、限界まできていた。
「ジュリアー!!!!!!」
開け放たれた窓から聞こえた、叫び声。
この声を、私は知っている。
『莉玖!?』
間違いない。
バルコニーから顔を出すと、昨日の男の子が手を振っていた。
よくみると、手にはオカリナが握られている。
ボクはオレンジのボールを莉玖に向かって、昨日やった通り、放った。
そのボールはまるで意思を持っているかのようにまっすぐ、まっすぐ莉玖の元に飛んでいった。
『そのオカリナは!投げちゃダメー!!』
オカリナを持った手を大きく振りかぶった彼に叫ぶ。
「けど!…あ!ジュリア!!」
莉玖が叫ぶと同時に背後から首の鎖を引っ張られた。
『うぐっ!?』
突然、喉がしまり苦しい。
息をしようともがく度、呼吸が困難になる。



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