白いツバサ




『良かった、見つかって・・・。』
安堵の溜息を吐き出すと、先ほどの男の子が近付いてきた。


「ねぇ。」
少しだけ、棘を含んだ声で

「どういう事か、教えてくれる?」
尋ねられた。


『え?これは、オカリナだけど。』
「違うよ、それは見れば判るから。」
ばっさりと返され、え・・・。と戸惑う。


「飼われてるって何?」
『そのままの意味。ボクはマスターに飼われた。外の世界だってマスターに飼われてから初めて。』
「・・・何年ぶり?」
『・・・十三年くらいかな?』

そんなに?!と男の子は驚愕した。