「生きる」ということ

戸惑っている私にお医者さんは、「あのね、これから大事な話があるんです。覚悟して聞いていただけますか?」といきなりな質問をしてきた。
私は意味も分からず、ただただ首を縦に動かすことしかできなかった。

「あの、実は倒れたことについては、何も異常はありませんでした。ただの疲労だと思われます。問題はここからです。今は、特にこれという問題はないのですが、あなたの内蔵に腫瘍が見つかりました。」とお医者さんが下を向く。
私は、何がなんだかわからなくなってきて、その場に泣き崩れてしまった。

「でも、まだほんの2・3mmほどです。これ以上大きくなってくると、手術で摘出しなければなりません。だけど、その腫瘍がすべて取り除くということは難しいんです。摘出しても、再発する可能性が高いということを覚えておいてください。
でも、これ以上大きくならなければ薬で徐々に退治していけます。安心してください。今の時点ではわかりかねます。」
とお医者さんは言うが、私は、頭が空っぽになる一方だった。
すると、そこへハンカチで鼻を抑えるお母さんが入ってきた。
「文。ごめんね。・・・ごめんね。」と謝ってきた。

だけど私はその日一言も誰ともしゃべることが、できないまま夜を迎えた。
どうやら私は、今日一日詳しい検査をして、退院するそうだ。