「ゃ・・あや・・・文・・・あや」とお母さんの声がする。
私は、目を開けたけど、そこは闇の世界だった。
だけど、声は聞こえるし、体は動く。

どうなっているの?
死んじゃったの?
あれ?でも声が聞こえる。

私は、ここがどこなのか、どうして私がここに居るのかがさっぱりわからなかった。
真っ暗な闇の中私は、一人、叫んでいた。
「誰かいますか?ここはどこですか?なんで私はいるのですか?」と必死に叫んでいた。
だけどいるはずもない・・・。
私は、現実に引き戻される。
「文?文?起きてるの?」とまた、お母さんの声が聞こえてきた。
お母さんは私の目のところに巻いてある包帯をほどいてくれた。
優しい、暖かい手で。
なんだか、今日はとてもそれが幸せに感じた。

私は、包帯がのしかかる唇をあけて「お母さん」と言いたい。
だけど、「お母・・・ん。」と途切れてしまう。
お母さんは、焦ったような感じで「い!今お医者さん呼ぶからね!安心して。」というと、私の枕元にある、ナースルームへと繋がっているブザーを押した。

ビー___

私の体には、大音量の音だった。

そして、お医者さんがすごい機会をゴロゴロと音を立ててやってきた。
これもまた、頭が痛くなる。

それから、4分ほどで、頭に巻かれていたすべての包帯がほどかれて、身軽になった。
喜んでいると、お医者さんが真剣な顔をして、私に話しかけてきた。
そして、お母さんが外に出された。
私とお医者さんはこの静かな空間に2人にされてしまった。
一体何が起こるというのだろうか。