号令が終わると同時に隣のクラスに行くと、ドアのにもたれかかって、足を組んでいる彼がいた・・・。
彼は、私を見つけるなり「おせ~。」とため息をついていた。
「あ、ごめんなさい!!!」と私は彼に、借りた教科書を渡して頭を下げた。
すると、彼はお腹をかかえて笑いはじめた。
「うそにきまってんじゃん!俺が教科書でそんなに怒るわけないだろ?がり勉じゃあるまいし!」と私の頭をなでてきた。
なんだろ?彼をじっと見ていられなくなる。
頬がじんわりと熱くなって、なんだか顔が赤いのがわかった。
「俺、桐谷翔樹ね。よろしく」と満面の笑みで自己紹介をしてきた。
私もあいさつしなくちゃと思ったて、彼の顔をみるが、恥ずかしくてうつむいたままで「わ、、、私!文です。宮根文です~!」と最後には声が裏返ってしまった。
あぁ、やってしまった。と心の中で後悔した。
そして、そんな彼を見つめていると・・・
「あ~や~?このイケメン君、誰?私に隠れてこっそり良い男見つけてたの?」と背中からこそっとでてきて私の肩に片手を置き、中ぐらいの声で聞いてきた
。
「違、違う、よ!ただ、教科書を借してもらっただけだよ?それで、喋ってただけ・・・ね?」と私は両手を顔の前で左右に振った。
「ほんとに~??」と美恵は疑うように下からのぞいてきた。
心で危険アラームが鳴り響く。
私は、彼に「ありがとう」と笑顔で言うと、美恵の手をつかんで走って教室へ戻った。
「ちょっと!美恵!も~、恥ずかしいじゃないの!」と私は、美恵に言った。
すると美恵は、「なんで?好きじゃないのに、何で恥ずかしいの?ほんとは好きなんじゃないの~?」と私の頬を人差し指でつんつんしてきた。
私も動揺してるのを美恵にばれるわけにはいかずに、「そんなわけないじゃん!」と自分の席へ向かった。


