退院してから早2週間が立つ。
11月27日、
それが私の初めての検診の日だった。

美恵に遊ぼと誘われたが、ごめんというしかなかった。
やっぱり美恵には言っといたほうがいいのだろうか?
もし、一緒にいるときに私が倒れてしまったら迷惑がかかってしまう。
救急隊員も、腫瘍があるとわかっていればかかりつけの病院にいち早く、運んでくれる。
未だに、心の迷いに答えは見つからずにいた。


『内科』という文字を見るのはこれから何回になるのだろうか?
内科には、風邪をひいた人たちがたくさんいて、腫瘍の人はきっと私ぐらいしかいない。
病院に来ると、なんだかマイナス思考になる。
お母さんが受付をしている姿がとても申し訳なく思えてきた。
すると、お母さんが戻ってきた。

「後2時間ぐらいはかかるって・・・。」
とジャンバーを脱ぎながら言うお母さん。
病院は暖房がかかっていて、ぽかぽかしていた。

私は、一人になりたかったから
「そっか。じゃあちょっと、商店街の喫茶店行ってくる。」と言って私は、お母さんを置き去りにして、出て行った。
外は、だんだん寒くなっていた。
マフラーをして、コートを着ていても、とても寒い。

でも、私には一人で行くのも虚しいので、
私は、美恵に喫茶店に来れるか電話をしてみた。
ぷるぷるぷる___ぷるぷるぷる___ぷ・・・がちゃ
「はいもしもし?」と美恵が出た。
「あ、美恵?私、文だけど、商店街の喫茶店来れる?」
「えっと、今から10分ぐらいでよういするけど、行けるよ。」
「ありがとう。『にんまり喫茶店』で待ってる!」
「うん!じゃあね。」
「ばいばい」
と言って電話をポケットにしまった。