社長、言っちゃったよ・・・

私とまゆみは目を見合わせた。


『どちらの令嬢と?』

またしてもどこからか、

質問が飛んだ。


「令嬢なんかじゃないさ。

一般のお嬢さんだそうだ、なぁ唐沢君」


「ええ、そうです」


社長に微笑んだ俊。


誰とか聞かれたけど、

俊も社長も、

私を思っての事なのか、

名前を言われることはなかった。


・・・

安堵のため息をついたのは

言うまでもない。


「今日から違う部長が・・・

おお、やっと来た。

仙堂 蒼君だ。さ、さ、こっち」