「愛奈…ゴメン・・・。

愛奈を置いていくオレを許してくれ」


「・・・」


「社運が俺にかかってる・・・

何とか早く仕事終わらせるから・・・

早く、愛奈の元に、

帰れるよう努力するから・・・」


「・・・」

・・・やっぱりダメだ。

・・・
俊に抱きしめられたら、

泣かずにはいられない・・・

・・・

先の見えないゴールを、

俊のこの温かい腕に抱かれることなく、

待つ自分が、

耐えられるか・・・

・・・









私はそっと、

俊の腕から離れた。