聞かなきゃ…。

「なぁ…紫苑…」

ビクンッ

いきなり蒼に話しかけられたから

体が反応してしまった。

『なに…?』

「なんか今日様子がおかしくねぇ?」

『えっ?』

「朝から思ってたんだけど…なんかあった?」

そんな優しい言葉をかけないで…。

そんな優しい瞳で私を見ないでょ…。

『何もなぃよー?』

「本当に?」

『うん!』

蒼…ごめん…。

私たちは電車に乗った。

電車の中では

沈黙が続いていた。

はぁ…。

いつの間にか電車は

ホームについていた。

プシュー

私たちは降りた。

「紫苑の家まで送ってく…。」

『ありがとぅ…』

「紫苑のお父さんいい人だな…」

ドキッ

『ねぇ…蒼?』

「ん?」

聞かなきゃ。

『蒼の…お母さんの名前って…なに?』

お願い…。

「ババァの名前?麻理だけど?桐堂麻理だよ?」

神様…

どぅして私達は結ばれないのですか…?

頭を思いっきり叩かれた気分だった。

『そっそっかぁ』

平然を装わなくちゃ…。

それから、私の家まで

無言だった。

「じゃまた明日な♪」

『蒼!』

「どぅした?」