「珠洲、早く来いよ」
すでにシャワーを浴びた彰は、煙草を片手にまだバッグを持ったまま突っ立っている私を手招きする。
言われたとおりバッグをその場に置いて彰の隣に座ろうとすると、そのまま押し倒された。
ドサ…
「……ん…」
愛のないキス。
煙草を消した彰の手が私の身体を押さえつける。
「待って…まだシャワー浴びてない…」
「いいから…」
息が荒くなって興奮気味の彰は起き上がろうとした私をもう一度押さえて唇を重ねてきた。
「……ん…ふ…あっ…」
こうやって彰と身体を重ねるのは何度目だろう…。
私も彰もお互いの身体のことなら何でも知っている。
こんなに体温を感じている。
それなのに恋にならないのはどうしてなのかな…
きっとそれ以外のことは知ろうともしないからだよね。


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