- 最愛 -





―――――放課後。

「帰ろうぜー」

隆太がわたしのクラスにやってきた。

「うん」

鞄を持って玄関へ行く。
もう雪は止んでしまっていた。

なぜか寂しい気持ちになる。

雪が降らないと
南高の男の子に会えない。

そんな気がするからだ。


隆太と話しながら道を歩く。

「隆太は彼女とうまく行ってるの?」

3年つき合っている彼女がいた。

「もちろん。大好きだよ」

こうやって他の人にも
彼女のことを"大好き"と
ちゃんと言える隆太はすごい。

「相変わらずラブラブねー」

「それより美夏はそうゆう人いないの?」

「あっえ…いない!」

「ふーん。いるんだ」

「いやいや!気になるだけ!
他校だからそんな会わないし!」

なに喋っちゃってるのかなわたし。