春―――。
それは出会いの季節。
私は新たな出会いを望みながら『三森』と表札の付いた家を出た。
「春子ー‼ 早くー‼」
「ごめーん(汗)」
友人が待つ信号の先。
横断歩道が目の前にあるが私はそこで引っかかってしまった。
うわっ 最悪…。
「春子 先に行くね」
「えっ 待っててよぉ…」
「やだよぉ うちは入学式早々遅刻なんて、だから じゃっ」
マリのスタイルのいい背中が遠くへ行く――。
あー、もう早く憎い赤色が変わらないかな、、、
私、三森春子は今日ピッカピカの高校1年生ですっ
別にまだまだ時間じゃないんだから先に行かな く ても・・・
「って え~! もう15分前じゃん‼」
ようやく青に変わった信号を置いてマリの背中を超ダッシュで追いかけた
「あれ 春子じゃん。どうした?」
「いや もう 時間だからぁ」
「え、アレほんとだ。」
いやさっき「入学早々遅刻なんでヤダ」って言ったの誰!?
何でもいいから急げぇ~‼‼
ぎりぎり7分前に到着。
危なかったわ(汗)
「人多いね春子」
「だね」
えっとクラス表はっと、、、
「をぷッッ」
デカイ壁にぶつかったと思ったら
シャツを出したばりばり茶髪の1年(かと思う)男子にぶつかった。
「おい テメェ どこに目つけてんだよ」
ご ごめんなさいっ
あ、口に出して言わないと。
「ごめんなさい(汗)」
「チッ」
・・・・・。
「春子大丈夫?」
「う、うん」
なんなのあの人!?
同じ1年生だったらどうしよう
ましてや同じクラスだったら・・・
入学式に始まる前から最悪が始まった。
やべぇ ちょっと涙が出そう。
でも私の災難はこれが序盤だった。
