「き、今日は肺世さん、あ、朝からニコニコしてましたし、な、何か良いことがあったと思ってましたが、き、今日は話さなかったので、ど、どうしたかと思ってましたが、い、今の二人を見ていると、す、すごく安心しました」

「お前、いじめられなくなってから、話が長くなったな」

「そ、そうですか?」

「それに安心って何だ!」

「つき合っているように見えました」

「それはねーし、それに千紗は他の男とつき合うようだぜ」

「そ、そんな。そ、それじゃ、い、今から追いかけて、こ、告白してください」

「もう、どうでもいいから、お前もそのことには触れるなよ!」

 田久万は一喝した。

「で、でも……わ、わかりました」

 田久万は敗北感に打ちのめされていた。涙が流れるのを誰にも見られないように、机に顔を押しつけた。