「気にならないけど、お前みたいな……どんな男が寄ってきたのか、不思議でしょうがないから」

「やっぱ、気になるんじゃない?」

「……」

 田久万は返す言葉がなかった。

「わっかたよ。見た目はすごく、クールな感じで、年齢は見た目で十八くらいかな……もしかしたら二十歳以上かも……」

「何だ、それ。年齢は知らないのか」

「何か文句あるの?」

「クールって? 無口な男ってことだろう。暗い性格か。二十歳以上なら最低でも五歳以上も年上なって、そんなおっさんとつき合うのか?」

 田久万はお腹を押さえて笑った。

 チャイムが鳴った。

 千紗は急いで自分の席に戻った。

「ま、まずいですよ……」

 横で傍観者のようにいた茂呂が言って席に戻った。