「これで完全にわかりましたよ」

 大口はやけに自信があるようだ。その態度が田久万は腹立たしく、早く言えと思ったが次の授業の始まりチャイムが鳴り、教師が立っていた。

「それでは、昼休みに……」

 大口はもったいぶっていたので、田久万は苦虫を噛みつぶした。

「大丈夫?」

 千紗は田久万に言い残して席に戻った。