なぜだ?

 戸井田の疑問はどうでも良かった。

「あれは」

 戸井田は机の上にかばんが置いてあるのを発見した。他の机の上には何もないのである。

これは間違いなく、千紗のだ。

 確信はあった。

 すぐに戸井田はかばんを手に取って中身を見た。