放課後ー

私はいきなり誰かにぐいッと引っ張られた。


「だ、誰!?」

「俺だよ」

「こ、康成くん…」


今までみたことないような

凄く怖い顔してた。


「なんであんな態度とるんだよ」 

「みんなに迷惑かけてくないから。」 

「迷惑かかってねぇよ?」

「嘘、絶対かかってるもん!」

「かかってないからその態度やめろよ」

「い、嫌だよ…。」

「俺がなんかしたのか?」

「してない…よ」

「なら、いいんだ!」 


さっきとはまるで違う

カッコいい笑顔だったよ。

思わず見入っちゃう、そんな笑顔。

私が悪いことしたのに

なんで笑顔なんか見せるの?

余計、辛くなってきちゃうじゃん…


「笑顔なんか見せないでよ。」

「俺は優愛が好きだから笑ってる」

「友達としてでしょ。」

「俺はさ…」

ちゅッ…

「こっちの好きだよ?」

「なッ、なにやってんの!?」

「俺は、優愛を守りたい。」

「え…、迷惑じゃないの?」

「迷惑なわけないから、戻ってこい。」

「守っ…てくれるの?」

「絶対に守ってみせるから心配するな」

「勘違いだったんだ…うぅッ」


勘違いしてた自分が情けなくて

康成くんがくれた優しさがとっても嬉しくて…

私、誠也君の前でも素直になれるかな…


「私、誠也くん達に謝りたい!」

「でも、もう誰もいないし。」

「そっか…じゃあ寮に帰ろう?」

「でも一回俺の部屋よってけよ。」

「え、なんで?」

「秘密。」

「康成くんの意地悪!」


この後、こんなことになるなんて

優愛は思いもしなかったでしょう。