そこから目を下に移していくと、下から二番目に「佐山探偵事務所」の名前が挙がっていて、市川は目を細めた後にすぐにクリックした。



 あったよ、おい。



 咄嗟に机の上に投げ捨てた「佐山探偵事務所」の名刺を手に取ると、事務所の住所と電話番号を確認した。



 間違いない・・。



 再び名刺を上にかざすと「企んでいるな、絶対」と言って、市川はタバコの煙を吹き掛けた。



 それから空腹感を覚えた市川は冷蔵庫を覗き込み、空と確認すると、ジャージにTシャツの寝巻き姿で外へゆらりと出た。



 鳥の鳴き声と新聞配達のバイクの音がやけに鮮明に聞こえてくる。



 市川はその町の中を覚束ない足取りで、そば屋の方向を歩いていく。



 無論、この時間にそば屋が開いているわけもなく、目的にしているのはその先にあるコンビニだ。