翌日、早速市川は被害者のアパートの大家に接触するべく、そば屋に足を運んだ。



 それはおそらく同じ建物内でそば屋を営んでいるおばさんなら、大家の連絡先を知っていると考えたからだった。




「おばちゃんさ、ここのオーナーとアパートの大家って一緒?」



「あーそうだけど。どうしたの?」




 案の定同一人物で市川は安心したように一息吐いた。



 それから連絡先を聞いてすぐに市川は大家にアポを取った。




「仕事とは言え物好きよね」           



 呆れ顔のおばさんを前に市川は昼食を食べながら、そば屋まで来てくれると言った大家の到着を待った。



「あーあの時はどうもね」



 大家はそば屋に入るなり、市川を見て笑顔でそう言った。         


 事件からまだ一日しか経っていないせいなのか、普段からそうなのかは定かではないが、大家の笑顔は引きつっているように市川には見えた。