教室に近づくにつれて恐怖がましていく。

でも、私はこのゲームで勝たなくてはいけないんだ…

扉の前にたつと足の震えがとまらなくなる。

大丈夫。

ゲームなんかすぐ終わるから。

勝たなきゃ!

「お、おはよう!」

皆の目線が私に集まる。

「ねえねえ、しほちゃん。手紙読んだ?教室に来たってことはゲームスタートしちゃっていーんだよね♪」

少し不気味な笑みを浮かべてなあちゃんが近寄ってくる。

こんなの無視無視!

私がなあちゃんをよけて席につくと

「「「「あーはっはっはははははは」」」」

私の椅子がびしょ濡れだった…

「あっれー?しほおもらししちゃったのー??なんちゃいでちゅかwwwwww」

あまり話したことのないたかしが声をかけてきた。

「はあ?何言ってんのwこれあんたのおねしょじゃないのおー?w」

ハッwこんなん簡単に耐えられるしw

「こいつムカつくんだけど…なあなあ中田ちゃん?皆の言うことは絶対だよな?w」

どんなこと言うんだろ…

さっきは大口たたいたけど、手の震えが止まらない。

「そだよ!これはゲームなんだからなんでも言っちゃえ❤」

「おう!じゃあ、そーだなーお前ここでマジにおもらししろよw」

え?は?何言ってんの?こいつバカじゃないの…

そんなことするわけ……………

「お前ら何してんだよ!」

そのとき相馬くんの声がこだました。

「おい!しほ大丈夫か?」

"・相馬くんとしゃべったら皆で無視 "

無視しなきゃ…

助けてくれたのに無視しなきゃ…

「しほ?」

フイッ

ごめん

「おいってば!」

相馬くんは私の手を掴んで引き止めてきた。

「やめて!触らないで!!」

私は私が嫌になって教室から飛び出した。