運命という絆

拓真は、再び父の言葉を想い出し口に浮かべた。

「『現在に自身がある事こそが奇跡と云う事を理解した時、人間の存在が何であるかを知る…お前も運命というものを引き継ぐ者なのかもしれない…』……そうか?!そういう事か!…」
暫くの間を置いた後、拓真は姿を消した父の謎めき残した言葉を思い出し、唯でさえ大きな瞳を更に開いて静かに呟いた。
「どうかしたの!?…」それに驚き香は尋ねた。

「いえ…今日と云う日も実は決まっていたのかも知れません。完成してしまった今の日本社会。その中で僕がこれからするべき事が解りました。現在、水と安全も経済の一部となっていますが…父は未来に何が起こるかを確信しています。多分…来年の約束の日にその答えが…」

「言っている意味が私には良く解らないけど、貴方は同年代の学生とは掛け離れたIQの持主だというのは周知の事実…お父様は、それを見越したからこそ子離れされたのね」

「運命…いや宿命というものは決まっているみたいですよ。父は、それを確信しているんです。だから、こうして由美ちゃんを通しお母さんと縁が出来て父の事に繋がっている事実…」

「どうやら、合同祭は貴方を飛翔させる滑走路だった様ね。そして、私が今、小児科医をしている事が貴方のお父様の影響だと知らしめされているわ。弱者の為に私に与えられた使命?でも、それが間違ってなかったのか?今の娘の様を知って考えさせられてしまう…由美には、父の遺伝子も受け繋がれている。大きくなるにつれ最近、感じるの…会長さんも気付いた筈よ」

「私も母の遺伝子あって存在しています。だからこそ父の躾が特に厳しかったのだと感じました」

「重要なのは躾だと私も貴方と近くにいて思うわ。世の中の流れに反して立派に育てあげたお父様…今の貴方と居ると私も過去に戻った様な気持ちになってこの素敵な一日に感謝します…」

「囚われずに僕は歩きます。父の残してくれたものの解答が出ました。こんな簡単な事だったとは…」拓真の瞳が悪戯気味た笑顔を浮かべた。

「何をする気?」

「それは、お母さんには今は話せません…由美ちゃんの未来については真摯に考えて話し合ってみて下さい。今の全ての女性に付いて…これからに置き真の笑顔に繋がるのか?これだけは、男の僕には出来ないですから」

「そうね…判ったわ。あら?!雪が止んだみたいね」
「じゃ、そろそろおいとまします」
「まだ電車は動いてないわよ…」