「でも、貴方には由美は、遠い存在か…そうそう!会長さんが進学しないのは、お父様が家を後にしたのと何か関係がおありなのかしら?…それと貴方と近い方々が東京以外の大学を目指すと云う事も…」
香は、息を呑み尋ねた。
「日本と云う国は今、袋小路の社会に突入しています。そして、世界からみて都合の良い国に成り果てた…僕と父は、運命が正反対でありながら目的は同じなんです。父は、経験が先で、そこで得た知識と知恵を密にして僕に叩き込みました…お母さんに尋ねた"七つの大罪"を徹底的に持たない様に僕は躾られたのです。それで、父と母の間でよく、いさかいが起きました…同じですよ。お母さんと!将来を楽にさせたい母には自身の見栄がみられました。『僕を私物化しない様に』と諭す父…『権力とお金が全て』と譲らない母…僕は、その狭間に居ました」
「二十年前近く前のクリスマスイブ…その日を境に、お父様はお店にパタリと顔を出さなくなったの…店のママが、酔っ払い狼狽して現れたのを覚えている。普段、冷静沈着で穏やかな方なのに…暫くは、憔悴してらした。彼女のパトロンだとお父様は噂されていたから、私等、到底足下にも及ばない雲の上の女でさえ…」
「その日に恐らく僕の母が、僕を身籠っている事を盾にしたのですね…でも、母が残した言葉では父と年の近い同年代の女性で『独占欲からその人にやってはいけない事をしてしまった…』と告げられたのですが?…」
「完璧と揶揄され様々な男から口説かれたママでさえ、届かなかったお父様の信念が貴方を誕生させたのね…ママはとても悔やまれていたわ。あの時(もう少し、歳が近かったら!)とか酔っ払って叫ぶ程の取り乱し方は尋常じゃなかった…しかし、お父様には別に大切な女性が居たと云う訳ね?…」
「父は、約束があると言って全ての財産を置いて家を出ました。恐らく、その女性との約束へ向けてでしょう…それが、来年の今日なのです。父は何かを感じている様でした。僕では未だ理解出来ない様な大きな出来事…」「昔から権力とお金で人を動かす事は無く、人柄で愛されていた。私も、その一人…その方が、裸同然で今の世の中に敢えて出て行ったと云うのね…」
「残された僕に出された一番難しい問題であり、そして決して間違えは出来ないもの…」
「会長さんの最初の選択は、進学しない事…で、次は?」
「短い期間で、今の世の中を知る事でしょう…残されたお金はその為にある気がします」
香は、息を呑み尋ねた。
「日本と云う国は今、袋小路の社会に突入しています。そして、世界からみて都合の良い国に成り果てた…僕と父は、運命が正反対でありながら目的は同じなんです。父は、経験が先で、そこで得た知識と知恵を密にして僕に叩き込みました…お母さんに尋ねた"七つの大罪"を徹底的に持たない様に僕は躾られたのです。それで、父と母の間でよく、いさかいが起きました…同じですよ。お母さんと!将来を楽にさせたい母には自身の見栄がみられました。『僕を私物化しない様に』と諭す父…『権力とお金が全て』と譲らない母…僕は、その狭間に居ました」
「二十年前近く前のクリスマスイブ…その日を境に、お父様はお店にパタリと顔を出さなくなったの…店のママが、酔っ払い狼狽して現れたのを覚えている。普段、冷静沈着で穏やかな方なのに…暫くは、憔悴してらした。彼女のパトロンだとお父様は噂されていたから、私等、到底足下にも及ばない雲の上の女でさえ…」
「その日に恐らく僕の母が、僕を身籠っている事を盾にしたのですね…でも、母が残した言葉では父と年の近い同年代の女性で『独占欲からその人にやってはいけない事をしてしまった…』と告げられたのですが?…」
「完璧と揶揄され様々な男から口説かれたママでさえ、届かなかったお父様の信念が貴方を誕生させたのね…ママはとても悔やまれていたわ。あの時(もう少し、歳が近かったら!)とか酔っ払って叫ぶ程の取り乱し方は尋常じゃなかった…しかし、お父様には別に大切な女性が居たと云う訳ね?…」
「父は、約束があると言って全ての財産を置いて家を出ました。恐らく、その女性との約束へ向けてでしょう…それが、来年の今日なのです。父は何かを感じている様でした。僕では未だ理解出来ない様な大きな出来事…」「昔から権力とお金で人を動かす事は無く、人柄で愛されていた。私も、その一人…その方が、裸同然で今の世の中に敢えて出て行ったと云うのね…」
「残された僕に出された一番難しい問題であり、そして決して間違えは出来ないもの…」
「会長さんの最初の選択は、進学しない事…で、次は?」
「短い期間で、今の世の中を知る事でしょう…残されたお金はその為にある気がします」
