「それを踏まえながらも、会長さんは進学しないのは何故?…今の日本社会…いや世界のあちこちで若い人達の将来が不安に晒されている中で敢えて進学しないなんて?」
母が尋ねた。
「会長には、きっと考えが有るの!私も、それは知らないけど…」
由美が拓真を庇う様に言ったが、由美も真意を知りたかった。
「藤田…この前、言ったよね。『知らない方が幸せな事がある』と云う事を…何も無ければ無いで越した事はない…次期生徒会長となる君には、未だ不安と恐怖を与えたくないんだ…卒業する奴には、もし何かある前に安心して勉学に専念出来る様に進めただけの事…何か起こってからじゃ遅いし、狼少年になるのは僕だけで良い」
「会長さんには、一体、何が見えるの?…」
母もグラスに手を伸ばし尋ねた。
「自分の知識と家庭での経験から出た不等式の答えとでも言いますか…父が離れ、自分自身で考えを纏めた結論なんです…」
「そうか…じゃ、これ以上この話は無しにしましょう。でも、由美に生徒会長なんて大役が務まるのかしら?」
「私、頑張りたい!会長の言う通りにする。受験より、生徒全員に笑顔を一杯あげられる様にしたい…」
由美が決意表明をした。
「それも良いわね…私も大切なものは何かを忘れていたのを会長さんに教わった…いや、背けていた自分から眼を向ける様に変えられて来た気がするわ」
「それで、急に優しくなったの?」
「女手一つでも、子供はきちんと教育出来るなんて驕りは、改めないとね。今迄、ごめんなさいね由美…」
「ううん!お母さんの大変さを理解しなかった私も悪い娘だよね…」
「時代に流されていた自分が恥ずかしいわ…会長さんのお父様の様に辛抱があればって考えたら」
「生きている時に、気付けるって素敵ですよ。僕の母が気付いたのは、死ぬ間際でしたから…それは、懺悔する様に全ての真実をいとおしみながら話してくれました」
拓真が微笑ましく言った。
「会長は、色々見て来たんですね…」
「て、言うより短期間で詰め込まれた気がするけど…」
由美の言葉に拓真は、そう述べた。そして、母が死に際に残した話をCDに焼き付ける様に残した脳からアップロードを始めた。それが、父と由美の母との接点に繋がるとは思いもしなかった…
「あっ!雪だ…」
聖夜に合わせた様に降りだした白い結晶…
由美の言葉にその空間に居る六つの瞳は窓の外をじっと黙って暫く、眺めた。
母が尋ねた。
「会長には、きっと考えが有るの!私も、それは知らないけど…」
由美が拓真を庇う様に言ったが、由美も真意を知りたかった。
「藤田…この前、言ったよね。『知らない方が幸せな事がある』と云う事を…何も無ければ無いで越した事はない…次期生徒会長となる君には、未だ不安と恐怖を与えたくないんだ…卒業する奴には、もし何かある前に安心して勉学に専念出来る様に進めただけの事…何か起こってからじゃ遅いし、狼少年になるのは僕だけで良い」
「会長さんには、一体、何が見えるの?…」
母もグラスに手を伸ばし尋ねた。
「自分の知識と家庭での経験から出た不等式の答えとでも言いますか…父が離れ、自分自身で考えを纏めた結論なんです…」
「そうか…じゃ、これ以上この話は無しにしましょう。でも、由美に生徒会長なんて大役が務まるのかしら?」
「私、頑張りたい!会長の言う通りにする。受験より、生徒全員に笑顔を一杯あげられる様にしたい…」
由美が決意表明をした。
「それも良いわね…私も大切なものは何かを忘れていたのを会長さんに教わった…いや、背けていた自分から眼を向ける様に変えられて来た気がするわ」
「それで、急に優しくなったの?」
「女手一つでも、子供はきちんと教育出来るなんて驕りは、改めないとね。今迄、ごめんなさいね由美…」
「ううん!お母さんの大変さを理解しなかった私も悪い娘だよね…」
「時代に流されていた自分が恥ずかしいわ…会長さんのお父様の様に辛抱があればって考えたら」
「生きている時に、気付けるって素敵ですよ。僕の母が気付いたのは、死ぬ間際でしたから…それは、懺悔する様に全ての真実をいとおしみながら話してくれました」
拓真が微笑ましく言った。
「会長は、色々見て来たんですね…」
「て、言うより短期間で詰め込まれた気がするけど…」
由美の言葉に拓真は、そう述べた。そして、母が死に際に残した話をCDに焼き付ける様に残した脳からアップロードを始めた。それが、父と由美の母との接点に繋がるとは思いもしなかった…
「あっ!雪だ…」
聖夜に合わせた様に降りだした白い結晶…
由美の言葉にその空間に居る六つの瞳は窓の外をじっと黙って暫く、眺めた。
