ずっと私のそばにいて

私の名前は坂本 優深。星宮中学2年生の14歳。誕生日は4月7日で、始業式より早めに誕生日がくるから、私はいつも友達から誕生日プレゼントがもらえない。でも、今年はそんなことは気にしない。今年の誕生日は私の彼氏の風見 貴輝から誕生日プレゼントをもらったから。

~4月7日~

私は春休みにやることになっていた宿題を終わらせ、残り少ない春休みを楽しんでいた。そんなとき、私の携帯電話にある人から電話がかかってきた。

『は、はい、優深です。』

『あ、優深? 俺、貴輝だけど、今日会えないか?』

『え? 別に構わないけど?』

『それじゃあ、今から美郷公園にきてくれる?』

『わかった。すぐ行くね。』

それから、すぐに美郷公園に行った。私が着く頃には、もうすでに貴輝がいて、足早に彼のところに向かった。彼は緊張した面持ちで公園のベンチに腰掛けていた。一瞬、彼を驚かせたい衝動に駆けられたが、彼の表情があまりにも真剣だったのでそれはためらわれた。

「貴輝?」

「あ? ああ、優深か。びっくりした。」

「驚かせてゴメン。今日はどうかした?」

「あー・・・いや、今日お前の誕生日だろうと思って・・・」

「だろうと思って・・・なに?」

「た、誕生日プレゼント・・・やる・・・」

「本当に?うわぁ・・・嬉しい・・・。」

私は顔が綻んでいくのを止められなかった。嬉しい。貴輝が私のために誕生日プレゼントを買ってくれたの?・・・信じられない。貴輝は1年生の始めは、ルックスは良いのに女子に冷たいと噂されてた。そんな貴輝が私と付き合ってるのも信じられないことのひとつだ・・・。

「どうかしたのか?」

「・・・いや・・・どうして私と付き合ったのかなって・・・。」

「それは・・・・・」

「それは・・・・・?」

「教えねーよっ」

「何でよぉーっ」

「そういうトコが・・・・」

「ん?何て言った?」

「な、な、な、何でもない・・・。」

「教えてよぉーっ・・・」

「あー、もう・・・。そういうトコが可愛いんだよっ・・・。だから、彼女はお前しか考えらんないの」

私は思わず赤面してしまった。ま、まさかあの貴輝から『可愛い』という言葉を聞くと思っていなかったのだ・・・。