そんなこんなしてるうちに自己紹介はあたしの番へ。
うぁぁあ゛…
みんなこっちみてる!当たり前だけどーっ!
「さ、榊光梨です…。得意な教科は英語です。よ…よろしく…」
「可愛いー…」
「好きなやつは!?」
逃げたい。切実に。
そんな時、奇跡が…。
ーガラッ
「……まだか?」
後ろの扉を開けたと同時に誰もが息をのむ。
あたしだけは、神様みたいに見えた。
「か、魁くん…!」
「おう、俺のクラスもう終わった。早く終わらせてくんね?」
「おー、いいぞ。どうせ榊が最後だったしなー。じゃあ解散。」
か、軽い…
でも助かったから良しとして。
「魁ー、ホントにお前光梨ちゃん大好きだなー!!」
「うるせー。黙れ。」
あぁ、魁くんだ…
心細さから解放されて、魁くんのところへ走り腕に抱きついた。

