あれからいつも通り裕斗さん達と楽しく暮らしていた。
変わったことと言えば周りの空気くらいだ。
あんなことを目の前で見せられ、誰も私に手どことか悪口すら言ってくる人がいなくなった。
裕斗さんと一緒に登校し、上靴に履き替えようとした時に靴箱から一通の手紙が足元に落ちてきた。
拾って封筒を見ると"村美稚胡様"とだけしか書いていなかった。
私は嫌な予感がしたのですぐにそれをカバンの中へ入れ、裕斗さんの前では変わりなく喋っていた。
教室では変わらず一人。
席につき、さっきの手紙を読む事にした。
「えっ………」
……その手紙は意外な人物からだった。
『 稚胡へ
久しぶり。
辰堵だけど覚えてるよな?
一度話がしたい。
明日18時に俺の家に来てくれ。
待ってる。
辰堵 』
あまりにも突然すぎて声も出なかった。
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