男嫌いなあたし。

「あっ。あたし、自分で髪できないんだよね…。」

しょうがない。メイドさんに頼むか。

あたしは部屋の中から、キョロキョロと廊下を見て

たまたま通りかかったメイドさんを捕まえる。

「れ、澪奈様っ…?」

「ちょっとお願いがあるの。入って。」

「か、かしこまりました…。」

ぐぃっと引っぱって部屋に入れる。

「ど、どうかなさいましたか?」

「髪。やってほしいの。あたし、1人じゃ出来ないから。」

「じゃあいつもはどうしてらっしゃるんです?」

「愁にやってもらってる。でも今日は、愁には頼みたくないから。」

だって、驚かせたいんだもん。

か、可愛いって言ってくれたし。

「かしこまりました。では、お洋服も私に選ばせていただけますか?」

「…わかった。お願いするわ。」

あたしが言うと

「では、クローゼットお借りします。」

と言って、メイドさんはウォークインクローゼットに入っていった。