男嫌いなあたし。

「澪奈、いーもんやるよ。ほれ。」

「ん?なにこれ。いー匂い。」

「だろ?ラベンダーってんだよ。鎮静効果があるんだと。」

「へー。」

ハートの形で、ぷにぷにしてる

可愛いキーホルダー。

紫の液が入っている。

「辛くなったらそれ持っとけ。楽になっぞ。」

「ん。ありがと。…ゆ、悠斗って意外に優しいよね。」

「澪奈はたまーに“悠斗”って呼ぶよな。」

「たまに呼んでたら、癖がつくかと思って。」

いきなり呼ぶのはいくら親しくても無理。

茂長は男子なんだし。

「もーチャイムなるな。」

「だね。テストがんばろー。」

「澪奈は頑張んなくてもできるだろ。」

「そんなことないって。」




…キーんコーンカーンコーン…

「テストを始めるぞー。席につけー。」

これから3時間で3教科テストがある。

あー…。

なんの教科だっけ…?

あたしがそんなことを考えていると

クラスの中にゆっくりと緊張している空気が

流れ出した。

…さて。

どれくらい出来るかなぁー?