「おはようございます。澪奈様、愁様、悠斗様。」

「ん、おはよ。」

「はよー。」

「うーっす。」

廊下で会ったメイドさんが、あたし達にペコリと頭を下げた。

もう気づいた人もいるかもだけど

茂長もつい最近から、ここに住み込んでいるのだ。

お父様に気に入られたのかなんなのか

結構頻繁に泊まりにきてたら、突然

「ここに住み込む気はないか?」

とかきかれて、OKしたらしい。

お母様も歓迎してたみたいだし。

「今日も車だろー?」

「そりゃあねぇ。」

「楽だもんなぁ。」

最近はめっきり夏らしくなってきて

歩いてたら暑くてやってられない。

「うぉー。車ん中涼しー。」

「あ。そういえば今日さぁ。テストじゃね?」

「はぁ?なんのだよ。」

「定期テスト。」

「えー?そうだっけぇ?」

テストの日付なんか覚えてないし

という、あたし達の態度。

半分以上の人が、羨ましいと思うだろう。