「お、おいっ…。」

「ん?どーしたの?茂長。」

「て、手…。」

「あぁ、ゴメン。」

あたしは、ぱっと手を離して

茂長の服の裾を引っぱった。

「すっげー…。澪が悠斗に甘えてんじゃん。」

「あ、甘え…?」

「おう。澪、ふつーの男にはそんなことぜってーしねーんだぞ?」

確かに。

でも今はしょーがないのよ。

あそこの部屋に入ると、ちょっと緊張しちゃって

疲れちゃうんだもん。

「早く部屋行こ?疲れちゃった。」

「相変わらずだなぁ澪は。ハーブティー入れてやろーか?」

「んー。お願い。」

あたしが言うと

「じゃあ、悠斗と先部屋行ってて。後から行くわ。」

と、愁が言った。

「ん。わかった。行こ、茂長。」

「りょーかいー。」

あたし達は部屋の前で別れて

あたしは茂長を連れて部屋に戻った。