「もうすぐ到着いたしますよ。」

「ん。ありがと。」

いつもどうり、家の門の前に車が止まる。

がちゃ、とドアが開いて

「どうぞ。」

と、あたしを促してくれる。

「ん、ありがと。」

門を入ってから家の扉までは

ずーっと庭みたいな道が続いてる。

まぁ、ほんのちょっとの距離だけど。



がちゃ、と扉を開けると…

「お帰りなさいませ。澪奈様、愁様、茂長様。」

「ただいまぁ。」

「うぃー。」

「どうもー。」

いつもどうりのお出迎え。

こればっかりは、茂長も流石になれない様子。

すると…

「お帰りーっ!元気してた、澪奈ーっ!」

「お、お母様っ…!?」

「あら、愁も相変わらずねぇ。って…。」

「ど、どうしたの、お母様。」


「その男の子はどーしたの!!!???」


あ、そっか。

お母様は茂長のこと知らないもんね。

驚いて当たり前か。