男嫌いなあたし。

「ほんとに俺が触っても平気になったな。」

「手ぇくらいはへーき。」

「嘘付け。会ったばっかの時は、手でも青くなってたろーが。」

「まだ会って2日くらいしか経ってないけど?」

「それもそーか。変な感じだな。」

中3から知っていたからか

はたまた慣れのせいか。

あたしの心情はものすごい変化を遂げていた。

「お、きたってよ。」

「ほんと?じゃあ下りよっか。」

「だな。」

もういつもどーりになってしまった

並び順。

あたしは荷物を持って

2人の間に立つ。

「澪奈。荷物持ってやるからかせ。」

「ほんと?ありがと。」

「…おう。」

茂長に荷物を持ってもらって

長い廊下を歩き出す。





「あれ?」

靴を履き替えて外に出ると

そこには放課後とは思えないくらいの人盛りがあった。

「どうしたんだろ?」

「さぁ?しんねー。」

人ごみにも構うことなく、真ん中を歩く。

あたし達が歩き出すと

皆がよけてくれるから。

「って…げ。」

「あっちゃー…。あの車のせいか。」

「確かにあれは目立つわ…。」

人盛りの原因は

あたし達が乗って帰ろうとしていたリムジン。

だよね

あんなのが学校に止まってたら

皆驚くよね。