男嫌いなあたし。

「んじゃあ行くか。」

「うん。」

「うぃー。」

まだ茂長が加わってから、2日しか経ってないのに

なんでこんなにしっくりくるんだろう?

まるで、昔っから一緒にいたみたいだ。

…変なの。





「澪奈様、愁様、茂長様。行ってらっしゃいませ。」

「行ってきまーす。」

毎朝のことだけど、メイドさんと執事さんに見送られながら

おっきい家の門をくぐった。

「わ、やっぱり待ってる。」

「なんだあれっ!?」

「ん?リムジンに決まってんじゃん。」

あの車、目立つんだよねぇ…

真っ黒のリムジン。

長くて、中ももちろん広い。

ぶっちゃけ、ちょっと狭い部屋みたいである。

「あ、あれに乗るのか!?」

「うん。茂長も乗るでしょ?」

「お、おう…。」

「じゃあ行こ?」

あたしは運転手さんに声をかけて、ドアを開けてもらう。

「今日は3人で?」

「茂長は友達よ。乗せてあげて。」

「もちろんです。澪奈様のご友人なら、喜んで。」

「愁の友達でもあるの。」

「そうでございましたか。」

運転手さんは、どうぞ、とにこやかな笑顔で

車のドアを開けてくれた。