男嫌いなあたし。

「なーにやってんだよ、お前ら。」

「しゅ、愁っ…。」

「悠斗も。ったく、澪に変なことさせんなって。」

「俺は冗談って言ったんだぞー?でも、澪奈が出来るかもっていうから、ついな。」

「ったく…。」

あたしの頭の上で、愁と茂長ののんきなやり取りが

交わされている。

もー…

人の頭の上で、

何の話してんのー…?

「ほら、澪。髪やっぞ。」

「はーい。お願いしまーす。」

「はいはい。今日はぁ…ポニテな。」

あたしの黒くて長い髪を

器用にまとめて、頭の上のほうで1つ結び。

ポニーテールの名の通り

馬の尻尾みたい。

「ん。出来た。」

「ありがと。」

「んじゃあのんびりいくか。」

「うん。あ、でも…。」

「ん?どーした?」

「外で車待ってるかもだよ?」

この時間だし、電話してあるとか言ってるし

きっと車も待ってるはずだ。

「そっか…。じゃあ車でもいーな。」

「そうだね。」

だってやっぱり、車は楽だもん。