男嫌いなあたし。

「痛く…ない…?」

「ったく…。大丈夫かよ…。ってうわ!」

「ん…?きゃあ!!」

恐る恐る目を開けたら

目の前には茂長の顔。

男嫌いなあたしには、当然ありえないことで…

さっきの衝撃なんて忘れたかのように

茂長の上から飛びのいた。

「っ…ごめんっ!」

「俺こそ悪かったな。驚かせただろ?」

「で、でも…。おかげで怪我しなかったし…。それは、ありがと…。」

「どーいたしまして。」

いつもどうりの茂長の笑顔に

少しだけ安心。

愁いなかったし、茂長が助けてくれなかったら

どうなってただろう。

…きっと顔を強打してたよね。

「…ほんと、ありがと…。」

「愁がいないときは、俺がお前を守るから。もちろん、触れたりはしないけどな。」

「茂長…。」

「だから、よかったらもっと警戒心解いてくれよな。」

「…善処する…。」

あたしはぽつりと呟いた。