「茂長も上がれば?あ、荷物部屋にやっといて?」

「かしこまりました。」

茂長の荷物も、ぱぱっととってから

1人のメイドさんはあたしの部屋に向かっていった。

「どうぞ、おあがりください。」

「ど、どーも…。」

「それでは、ごゆっくり。」

ささーっと去っていく、メイドさんと執事さん達。

これが、あたし達の家なのだ。



「お前ら、マジで金持ちだったんだなぁ。」

「俺じゃねーよ。澪が金持ちなの。」

「泉川社だもんなぁ。」

納得納得、と笑う茂長。

「んで?澪奈の部屋は?」

「あたしの部屋?んっと…。こっち。」

「わー…。ひっろいなぁ…。迷子になるだろ〔笑〕」

「慣れたらそうでもないよ。」

あたしは無駄に広すぎる廊下を

迷うことなく進んでいく。