それから、10分後。

「こ、ここか?」

「うん。」

本当は、車で学校まで送ってもらってもいいんだけど

あたしはそれが嫌だから

愁と歩いて通っている。

10分くらいなら、歩いたっておんなじだ。

…どうしても遅刻しそうだったら頼むけど。



「ただいまぁ。」

「「おかえりなさいませ、澪奈様!」」

「うーっす。」

「「愁様も、おかえりなさいませ!」」

「な、なんじゃこりゃ!?」

このお出迎えはいつものこと。

でも…茂長には驚くことだよね。

だって、メイドに執事だもん。

「今日はご友人様をお連れで。」

「うん。あたしと愁の友達。」

「珍しいですね。澪奈様に男性のご友人だなんて。」

「同じ中学だったの。」

「そうでございますか。」

あたしと愁は、いつもどうりメイドさんと執事さん達に

学校の荷物を預けて

靴からスリッパに履き替える。

「どうだぁ?驚いたろ。」

「あったりまえだろ!?」