「で、でもっ。2人にばれたら困るの。」

愁はいいとしても、悠斗は絶対だめ。

バレンタインってそーゆうものらしいから。

「そうですか…。では、夜にしましょうか。」

「うん。じゃあ夜、厨房を使わせてもらってもいい?」

「はい。お待ちしてますよ。」

にこやかな笑みを浮かべて

メイドさんは去っていった。


これで、バレンタインも楽勝ね。

このときあたしは

そう思っていたんだ。

自分の不器用さを、よく知らないままで…。