「ねーっ!どうなったのー?」

「さぁ?」

お正月の次の日。

あたしは、悠斗を問い詰めていた。

「澪奈が忘れるのが悪い。」

「だって、全然何も記憶がないんだもん。」

長い長い夢の中にいたような感覚で

気づいたら朝になっていた。

だから、昨日何があったのか

全然わからないのだ。

「ねー。悠斗ー。」

「だから、知らねーって。あ、でも…。」

「でも?」

悠斗が、その瞬間

にやりと笑ったのがわかった。

あたしはよくわかんなくて

ん?と首をかしげた。

「酔った澪奈は、いつもよりも素直だったな。」

「ちょ、どーゆうこと!?」

「俺が言えるのはそれだけー♪」

意味ありげな言葉を残して

去っていく悠斗の姿は

いつもよりもずっと意地悪に見えた。