何十分経っただろう。

ちくたくちくたく…

時計の音だけが、部屋に響いている。

「ゆう…と?まだ、おきてる…?」

「おう。」

「あのさ…。…ずっと、その…。」

「ん?」

「ずっと、離れないでよ…?」

かすれたような、小さい声で

あたしは呟いた。

この先ずっと、こうやって、

一緒にいれるんだろうか…

ふと、心配になって

あたしの前から消えてしまいそうで怖くて。

「あたりめーじゃん。ぜってぇ離さねぇから。」

「…うん。」

何言ってんだよ

と言う声が、隣からきこえた。

「…お前も、俺から離れるなよ?」

「…うん。」

今まででずっと近くにいる悠斗に

あたしはきゅっと抱きついた。


悠斗は、

優しいのに、力強く

あたしを抱きしめてくれた。