寒い廊下を小走りで走って

あたしは自分の部屋へと戻った。

「…さむ。」

部屋の中は、温かいはずなのに

なんだから心が冷たすぎて。

思わず泣きそうになった。

「…澪奈?」

「ゆ、うと…。」

あたしの声を聞きつけて、部屋の奥から出てきたんだろう。

あたしの真正面に、悠斗が経った。

「どした?なんかあったか?」

「…寒い。なんかね、わかんないけど…。」

“寂しくて、寒くて、心が壊れてしまいそう”

「…おい、大丈夫か?ほら、落ち着けって。」

ポンポン、とあたしの背中を

さするように軽く叩いてくれる悠斗。

最近、精神的にあんまり安定してなくて

いろんなことが一気におきすぎてて。

心がついていかない。

「あのさ。相談、いい?」

「おう。」

悠斗になら話してもいいかな。

そう思って、あたしは話し出した。