“泣いても、辛くても、あたしは悠斗じゃなきゃだめみたい。”

そんな、ドラマみたいなセリフを言った澪は

ものすごく真剣で、邪魔することなんて出来なかった。

俺のほうに向いてほしい、そんなこと何回も思ったけど

それでも、2人の邪魔は出来なくて。

俺はせこくて

情けなくて

お人よしにもほどがある。

でも、そうなったとしても

澪には笑っていてほしかった。

無理のない笑顔でいてほしかった。

それに、悠斗なら大丈夫だろう

そう思ったから、俺は身を引いたんだ。

正直後悔してるけど

それでも、澪の隣にいることくらいは出来る。

それは、俺だけの

“幼馴染の特権”だから。



窓の外から見上げた空は

あまりにも暗すぎて。

真っ暗なのに美しくて

すごくまぶしく見えた。


悠斗said.end