走り続けて10分。

あたしは愁に言われていた浜辺へと到着した。

「はぁはぁはぁ…。」

肩で息をして、悠斗を探し出す。

幸い人は全然いなくて、遠くまで浜辺が見渡せた。

「いたっ…!」

あたしは、背の高い男の人を発見して

無理して浜辺を走る。

あんなに一緒にいたんだもん。

見間違えるはずない。




「悠斗っ…!」

「み、澪奈?おま、どうしてここに…。」

「やっと会えたっ…。」

あたしはふらっとその場に倒れそうになる。

体力のないあたしが、10分も走っていたんだ。

倒れて当然だろう。

「お、おいっ。大丈夫か!?」

「ん、へーき…。」

とりあえず座れ、と

あたしを浜辺に下りるところの階段に

座らせる。

「…で、どうしたんだ?」

「あたしっ…悠斗が好きっ…。」

伝えたかった言葉を、率直に伝える。

愁のおかげで自覚できたこの言葉を。

「っ…///やめろ、そーゆうこと言うの。」

「愁からきいたっ…。あたしは悠斗のこと好き、だからっ…。」

“何も心配しないで”

そう、言おうとした瞬間

あたしの意識は途切れた。