男嫌いなあたし。

愁said

「あー…。フラれちまったか…。」

走っていく、澪の後ろ姿を見ながら

俺は呟いた。

“泣いても苦しくても悠斗じゃなきゃダメなの”

そういった澪の目には、迷いなんて無くて

俺は止められなかった。

本当は俺が、1番近くであいつを支えてやりたかったけど

あんな目を見せられたら

なんにもいえねーだろ。

そんなに好きになってたんだな…

悠斗のこと。

「…あいつら、上手くいくといいな。」

自然と口から漏れた自分の一言に

ふっと笑いが漏れる。

憎むべき恋敵なはずなのに

どうしてもそんな気分には慣れなくて。

そりゃあ、悔しいとは思うけど

それでも2人が上手くいけばいいな、なんて思っている俺がいる。

澪に真剣にぶつかっていった悠斗と

苦しんでも悠斗がいいと言い切った澪。

お似合いじゃねーか。

俺は1人、車を呼んで

クリスマスの街を後にした。


悠斗said.end